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昭和文学で旅する北京
雍和宮
清代に開かれた北京最大のチベット仏教寺院。チベット仏教は、清の支配民族である満州族が伝統的に信仰していた宗教であった。明代にはこの場所に宮廷に仕える宦官の屋敷があったが、清の康熙帝の時代になると当時親王の位にあった後の雍正(ようせい)帝の邸宅がおかれた。雍正帝が帝位にある間は清朝の伝統的慣習に従ってその旧宅は空屋敷のままにされていたが、次代の皇帝である乾隆帝の時代になってチベット仏教の寺院に改修された。それが現代まで伝わり、雍和宮の名で呼ばれている。
総面積は約6万6000㎡に及び、満洲、モンゴル、中国、チベットの各文化圏の様式が織り交じった建築物が建ち並んでいる。南から北に向かって順に雍和門、雍和宮殿、永佑殿、法輪殿があり、そして最北部に万福閣という大殿がある。万福閣に納められているのは、高さ26m(地上18m、地下8m)、直径8mの巨体を誇る木造の弥勒菩薩像だ。これは一説にはチベットから運ばれたともいわれる白檀の一本木に彫り込まれたもので、日本の弥勒仏によく見られるような慈悲と安らぎを感じさせる柔和な姿ではなく、大きな鼻をもち憤怒の形相をした力強い仏像である。
(『地球の歩き方D03北京2016〜2017年版』ダイヤモンド社、2016年、155頁を参考。)
雍和宮の過去と現在
1934
1935
1942
1967
2023
今昔対比写真
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