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北海公園・白塔

 北海公園は、現存するもののなかでは、世界で最古の皇室庭園といわれる。北京にある3つの大きな湖「西苑三海」のうち、北海の周辺に広がる御苑跡だ。刻一刻と進化する北京の中央部にありながら、まるでここだけは時間が止まっているかのよう歴代王朝の芸術の粋を集めた楼閣と豊かな自然、それらを映す湖の情景は、ことのほか美しい。

 庭園の誕生はおよそ1000年前、遼代にまで遡る。その後金、元、明、清と王朝が代わっても、北海は皇室の御苑であり続けた。元朝の初代皇帝フビライ・ハン(在位1260〜1294年)は、ここを中心にして現在の北京の前身である大都を造営しており、「先有北海、後有北京」(先に北海あり、後に北京あり)ともいわれている。公園の総面積は約70万㎡で、その半分以上を湖面が占める。「一池三山」と呼ばれる造園様式は、皇室庭園にのみ許されたもの。「東の海に、不老不死の仙人が住む三神山(蓬莱、瀛州、方丈)がある」という伝説をもとに、北海を東の海に、そして園内の瓊華島(けいかとう)、団城、犀山台(すいさんだい)をそれぞれ、蓬莱、瀛州(えいしゅう)、方丈に見立てているという。

なお「西苑三海」のほかの2海(中海、南海)は、共産党政府機関がおかれているため、関係者以外は立ち入り禁止となっている。

(『地球の歩き方D03北京2016〜2017年版』ダイヤモンド社、2016年、134頁を参考。)

北海公園の過去と現在

1934

1935

1942

1967

2023

今昔対比写真

昭和文学で旅する北京

九州大学地球社会統合科学府

蘇冠維

*本サイトは、九州大学大学院未来共創リーダー育成プログラム(GIPAD)の支援によって作られたものです

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